$C=$ , $D=$ | |
$\omega_{\rm F}/\omega_g$ = |
振り子の振動面の回転速度は緯度に依存する。 北緯 $\Theta$ ($0 \leqq \Theta \leqq \pi/2$ ) のある地点において, 振り子の振動面が一回転するのにかかる時間は$1/\sin\Theta$ 日である。 北極では一日で一回転、赤道では回転しない。 私の住んでいる福岡市(北緯33.6度)では、約1.8日(1日と19時間)で一回転する。
振幅に比べて紐の長さ $\ell$ がずっと長い場合、 おもりの鉛直方向($z$方向)の運動は無視できる。 その場合、水平面内のおもりの運動は \begin{equation}\left\{\begin{array}{rl} x & = C\cos\big((\omega_g+\omega_F)t\big) +D\cos\big((\omega_g-\omega_F)t\big) \\ y & =-C\sin\big((\omega_g+\omega_F)t\big) +D\sin\big((\omega_g-\omega_F)t\big) \end{array}\right. \tag{1} \end{equation} と表される1)。 ただし、$g$を重力の加速度,$\omega$を地球の自転の角速度として、 \[ \omega_F := \omega\sin\Theta , \quad \omega_g :=\sqrt{{g\over \ell} + \omega^2\sin^2\Theta} \] $C$と$D$は任意定数で、位相の不定性は無視した。 通常、振り子の周期は1日よりずっと短く $\sqrt{g/\ell}\gg\omega$ なので、 $\omega_g\approx\sqrt{g/\ell}$ である。
特に$C=D=C_0/2$の時、式(1)は \[ x=C_0\cos(\omega_g t)\cos(-\omega_F t), \qquad y=C_0\cos(\omega_g t)\sin(-\omega_F t) \] となり、振り子が最下点($x=y=0$)を通り、 $\cos(\omega_g t)$で振動する振り子運動の振動面が角速度$\omega_F$でCW (時計回り)に回転する運動に対応することが分かる。
上のシミュレーターでは、スライドで $C$, $D$, $\omega_F/\omega_g$ を変えて、 水平面内でのおもりの振動の軌跡を見ることができる。
1) フーコーの振り子の理論 参照。