パーコレーション クラスター解析

Percolation Cluster Analysis

専有サイト クラスター ;
System Size; L =
Pc = 0.5927… ;
P= 1 ×Pc
説明: パーコレーション・クラスターを表示するシミュレーター です。

正方格子上にランダムに碁石を置いてゆくと、最初は碁石の配置はバラ バラだったのが、だんだん連なってきて大きな塊(クラスター)が生じ ます。 この様なクラスターが成長してゆく様子は、液体が媒質の中を浸透して ゆく様子に似ていることから、パーコレーション (浸透)問題と呼ばれ、長く活発に研究されて来ました。

パーコレーション問題の際立った性質は、各サイトの専有確率がある値 Pcに達すると、最も大きなクラスターの大きさが無限大に 発散し、系全体に渡ることです。このしきい値 Pcの値は正 方格子の場合 0.5927… です。

このシミュレーターの 初期状態では、L × L の正方格子の各格子点に[0, 1)の乱数を 振って、その値が P = Pc = 0.5927… 以下の格子 点を専有サイトとして、赤色で表示しています。

「表示切替」ボタンを押すと、 専有サイト表示とクラスター表示が切り替わります。

クラスター表示では、 専有サイトが辺を共有しているクラス ターごとに色分けしたものを表示します。 最も大きなクラスターを黄色で表示し、その他のクラスターは大きさの 順にランダムに色分けしています。

右側のパネルは、クラスターを大きさ順に並べて、 各クラスターのサイズと順位を両対数グラフにプロットしたものです。 これは、ランク・サイズ・プロットとも呼ばれ、 クラスターの累積サイズ分布を与えます。 それが両対数グラフで直線的になる場合には、 クラスターサイズの分布がいわゆるべき乗則になっていることを 示しています。

スライダーを動かすと、専有確率 P を0.95×Pcから1.05 ×Pcまで変えられます。その際、各格子点に振った乱数はそ のままなので、P を増やしてゆくと、それまで専有されていたサイトは 専有されたまま、未専有だったサイトがランダムに専有サイトに加 わってゆきます。専有確率 P が小さな値から大きな値に変化させると、 P=Pc あたりで突然、黄色の最大クラスターが成長して全系 に渡ることが見て取れます。

Pを変化させて右側のグラフを見ると、P=Pcあたりでプロッ ト全体が直線的になっており、クラスターサイズ分布がべき乗則に従っ ていることが分かります。

システムサイズのラジオボタンを押すと、 系の大きさ L が変わります。

「乱数の再設定」ボタンをクリックすると、 各格子点に新たな乱数が振られ、専有サイトの配置が変わります。

by Hiizu Nakanishi (2023/6/16)